朝鮮人民にとって2022年は、偉大な領袖金日成主席の生誕110周年、偉大な指導者金正日総書記の生誕80周年、さらには金正恩閣下が朝鮮民主主義人民共和国と朝鮮労働党の最高の首位に推戴されて10周年を迎える記念すべき年です。日本朝鮮学術教育交流協会は白頭山の偉人を称える国際祝典組織委員会の通知書及び公報文に則り、本会としての想いや活動等を記すことにより朝鮮人民への祝意と各国人士との連帯を表明します。
1905年、日帝は朝鮮を独立国としながらも保護国としてその外交権を奪い、1910年の併合により36年の長きにわたり朝鮮を植民地として支配しました。朝鮮人民から土地を奪い、言薬を奪い、名前を奪う「民族抹殺政策」を強行し、さらには戦争により不足した労働力を補うべく、幾多の朝鮮人を日本に強制連行して奴隷労働を強い、「天皇の赤子」として戦場に送り込む暴挙を行いました。
日帝はこのように朝鮮人民を犠牲にしながら自国の経済成長を図り、敗戦後の不況から朝鮮を再び踏み台にして戦争特需により脱出しました。にもかかわらず、戦後歴代の日本政府当局が、朝鮮植民地支配の歴史的責任を認めたことは一度もなく、それどころか植民地支配を肯定し美化する政府高官の言動は絶えることがありません。日本政府のこのような姿勢が、日本人が歴史と正しく向き合うことを阻害する最大の要因となっています。
とりわけ安倍政権以降、日本政府は「北脅威論」を煽り、憲法「改正」の必要性を説いています。2019年米国国防省の下部組織である国防人員データ·センターの調査によれば、米軍が最も多く駐留している上位3カ国は日本(56,118人)、ドイツ(35,104人)、南朝鮮(25,883人)です。米国と75年にわたり休戦状態にある朝鮮は軍事大国の包囲に晒されながらも、正に自力更生により朝鮮人民の命を守っています。しかしながら日本国内で米韓·日米の両軍事演習が、朝鮮に対する「挑発行為」と報道されたことはただの一度もありません。
日本の敗戦により民族解放を迎えた在日朝鮮人は、奪われた言葉と文化、すなわち民族のアイデンティティを取り戻すべく、各地に国語講習所を設置し、やがて現在の朝鮮学校を建設するに至りました。祖国解放後、戦後の苦しい国内状況のなか人民が主人の新国家建設を目差しながら、金日成主席は異国日本に残された同胞に思いを寄せ、教育授助資金を送られました。教育授助資金は、その後も金正日総書記時代、そして現在の金正恩閣下の代に至るまで引き継がれています。朝鮮をウリナラとする在日朝鮮人にとって、3代にわたる偉大な指導者は、正に希望の光であり太陽であることでしよう。
それに比して、日本政府は在日朝鮮人にも納税の義務は日本人同様に課しておきながら、これまで一度として朝鮮学校に財政支援を行ったことがありません。それどころか「朝鮮人設立学校の取扱について」(1948年)や「朝鮮学校閉鎖令」(1949年)、さらに近年では「朝鮮学校に係る補助金交付の留意点について」(2018年)等を朝鮮学校が所在する各都道府県知事に発出して朝鮮学校を弾圧してきました。高校無償化除外に加え、ここ数年でも幼保の無償化から朝鮮幼種園を外し、さらにはCOVID-19に係る支援からも朝鮮大学校学生を除外するなど、一貫した差別政策を採り続けています。「多文化共生」を推進しながら、朝鮮に繋がるものはすべて排除する日本政府の人権感覚は異常であり、何としてでも正さなければなりません。
本会は結成以来、これまでの数多の教育闘争を確認しながら、民族教育の発展と日本における多文化共生社会の実現に向けた展望を開くことを主たる目的として活動を続けています。全国規模の日朝教育シンポジウムは、近年、各地の朝鮮学校を会場にして開催することにより、日朝両国民の友好親善のとりくみが益々進み、すべての子どもの学習権をはじめ、在日朝鮮人の民族教育権を保障する運動の強化が図られています。本会は、当面とりくむ課題として以下を確認し、連帯の輪を拡げて行く所存です。
1. 全国の「朝鮮学校への高校無償化即時実施」を要求する裁判闘争に学び、今後の勝利に向けて引き続き取り組むこと。
2. 幼保無償化の実現をめざし、運動をひろげること。
3. 各地の朝鮮学校との交流、朝鮮学校を支援する会、朝鮮学園を支援する全国ネットワークなどの運動と連携し、様々な活動に積極的に取り組むこと。
4. 国連人種差別徹廃委員会勧告など国連人権勧告を実現させるための運動を、幅広い団体とともに取り組むこと。
5. 自治体の補助金減額·凍結·廃止の動きに反対し、確保·拡充に向けて取り組むこと。
6. 日朝教育交流の歴史を学ぶとともに継承し、日朝教育シンポジウム·日朝教育交流のつどいを発展させていくこと。
7. 日教組とともに、多文化·多民族が共生できる平和·人権教育をすすめること。
金日成主席と金正日総書記の偉業を継がれた金正恩閣下の指導の下、朝鮮民主主義人民共和国が社会主義強国として益々の発展を遂げられることを析念します。併せてCOVID-19の脅威に全世界が晒されているなか、朝鮮学校学生たちにとってアイデンティティ形成に欠くことのできない祖国訪問が一日も早く再開できることを祈念して結びとします。